北欧大好き!スウェーデン住宅で快適生活!!

結露の仕組み


高気密高断熱の外断熱工法で出来たスウェーデン住宅を建てる前は賃貸のテラスハウス(2階建てアパート)に住んでいました。賃貸なのでどんな作りなのかはわかりませんが夏は蒸し風呂のように暑く冬は冷凍庫のように寒い家でした。冬になると朝の窓は結露がビッシリで、カビを防ぐために寒い中窓を開けて換気していました。しかし、スウェーデン住宅に住んでからは夏は涼しく冬暖かく結露に悩まされることはなくなりました。本当に不思議です。では、何故結露が発生するのかは以外にわかっているようでわかっていません。私なりに勉強した範囲で説明して行こうと思います。

□結露とは

空気中に含まれている水蒸気が温度が下がることにより水蒸気でいられず水滴に変わる現象。わかりやすく言えば氷水の入ったコップの周りには水滴が付いています。これはコップの周りの空気中の水蒸気が冷えたコップに冷やされて水滴に変わったものです。これが結露です。私は今までは冷たい水には水滴が付くと漠然と思っていました。しかし、ちゃんとした理由があります。

□結露が及ぼす影響

結露が原因で発生するのが「カビ」「ダニ」「シロアリ」です。これらは家の構造体を腐食させるのはもちろんですが、アレルギーなど人体の健康を脅かす原因にもなります。

□結露の種類

結露には大きく分けて「夏型結露」と「冬型結露」があります。一般的には冬型結露で悩まされると思います。また、住宅には窓などの表面に現れ目に見える「表面結露」と目では普段確認できない壁の中に発生する「躯体内結露」の2種類があります。特に厄介なのは普段目にしない「躯体内結露」で知らないうちにカビ・ダニ・シロアリが発生し構造体自体を腐らせ家の寿命を縮めてしまいます。

□結露の仕組み

結露は温度差によって生ずることは一般的にはわかっている方が多いと思いますが、詳しいことについては意外にわかっていません。高気密・高断熱住宅でも結露の仕組みがわからないと結露が出る可能性があります。結露の無い快適で長持ちのする家を作るためにその仕組みについて知っていきましょう。

結露の例としてわかりやすいのは氷水の入ったガラスコップです。コップの周りには水滴がついていますが、これはコップの周りの水蒸気が氷水で冷やされたコップによって水滴になったものです。結露の典型的例です。

コップの中には水が入っています
(透明だとわかりにくいので麦茶を使用しています)
温度の低くない水だと結露が発生しません
コップの中に氷を入れます ガラスコップの表面に水滴が出てきました
これが結露です
(水滴がわかりにくいので麦茶はぬきました)

 

では、科学的に見ていきます。 前にも述べたように結露は空気中の水蒸気が温度が低くなることにより水滴に変わる現象ですが、この水蒸気が水蒸気でいられる状態を「飽和水蒸気量」と言います。これは、以下のように温度によってその量が違います。

 

■飽和水蒸気量(1m³)■
温度 飽和水蒸気量 温度 飽和水蒸気量 温度 飽和水蒸気量 温度 飽和水蒸気量
0℃ 4.8cc 10℃ 9.4cc 20℃ 17.3cc 30℃ 30.4cc
1℃ 5.2cc 11℃ 10.0cc 21℃ 18.3cc 31℃ 32.1cc
2℃ 5.6cc 12℃ 10.7cc 22℃ 19.4cc 32℃ 33.8cc
3℃ 5.9cc 13℃ 11.4cc 23℃ 20.6cc 33℃ 35.7cc
4℃ 6.4cc 14℃ 12.1cc 24℃ 21.8cc 34℃ 37.6cc
5℃ 6.8cc 15℃ 12.8cc 25℃ 23.1cc 35℃ 39.6cc
6℃ 7.3cc 16℃ 13.6cc 26℃ 24.4cc    
7℃ 7.8cc 17℃ 14.5cc 27℃ 25.8cc    
8℃ 8.3cc 18℃ 15.4cc 28℃ 27.2cc    
9℃ 8.8cc 19℃ 16.3cc 29℃ 28.8cc    

 

 

なんのこっちゃ???と、この辺りからわからなくなるので例を元に説明していきます。

(例)
高気密・高断熱ではない住宅で室温25度・湿度60%の部屋が室温15度まで下がった場合
(条件等はアバウトなのでご了承ください)

室温25℃ 湿度60%
    
1m³の中に含まれる水蒸気の量は写真の中の赤いです 左の写真ではわかりにくいので赤いをコップに例えていきます。上の飽和水蒸気量の表をみると25℃だと飽和水蒸気量は23.1ccです。つまり湿度が60%だと23.1ccのコップの中に6割の13.86ccの水があると言うことです。

 室温が20度に下がった場合
20℃の飽和水蒸気量は上の表で見ると17.3ccです。飽和水蒸気量をコップに例えるなら温度が5℃下がることで23.1ccの水が入るコップが17.3ccのコップにと小さくなってしまいました。含まれている水は変わらないので前のコップから小さいコップに移し変えます。 前のコップでは半分ぐらいだった水が小さいコップに入れると上の方まで来ています。17.3ccのコップの中に13.86ccの水が入っていると言うことはコップの中には約8割の水が入っていることになります。湿度80%と言うことですね。

さらに室温が15度に下がった場合
室温が15度だと飽和水蒸気量は上の表を見ると12.8ccです。20℃の室温のときの水13.86ccを12.8ccのコップに移し変えます。コップの量よりも水の量の方が多いのであふれ出ます。 このあふれ出た分が「結露」です。

以上が結露の科学的仕組みです。

上の説明でわかるように結露の発生は温度が低くなるからだけではなく湿度との関係が重要になってくることがわかります。

□結露に悩まされない住宅にするには?

結露に悩まされない住宅にするには2つあります。一つは昔の家のように夏の暑さにあわせて作られた風通しの良い住宅を作ることです。もう一つは高気密・高断熱の住宅にすることです。前者の方は結露の心配は無いかも知れませんが冬は寒くて仕方がないと思います。ですから後者の方が良いかもしれません。高気密・高断熱の住宅の中でも私が建てた住宅のように「外断熱」だと構造体の外に断熱材があるために内壁の中も部屋の一部になるので結露は心配は全く無いそうです。シックハウス防止のために義務化になった24時間換気システムの導入により機密の高い家は計画換気がスムーズに行くために室内の空気を確実に自動で入れ替えていくれます。このため高気密・高断熱の住宅にすることで結露の心配が減ることは間違いありません。しかし、機密の高い住宅で以下のことをすると結露が発生することがあるので注意した方が良いと思います。
 

1.乾燥を防ごうと加湿器を沢山設置すると湿度が上がり少しの温度変化で結露が発生する。
2.石油ストーブなどを使うと石油に含まれている水蒸気が湿度を上げて結露を発生させる。

私が感じていることは以上ですが、言いたいことは結露のない快適な生活を送るには温度と湿度の関係をしっかりと把握しうまく付き合っていくことです。

詳しくはコムハウスで配布している「結露をなくす」という小冊子をご覧ください。

 

 

■TOPに戻る

 

inserted by FC2 system